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「生体酸化ストレス非侵襲画像計測技術の研究」プロジェクト

生体レドックス反応研究室

生体レドックス

 生体レドックス(Redox; reduction and oxidation)とは,レドックス反応を介した呼吸や代謝などの生命活動,それに伴う活性酸素・フリーラジカル(活性分子種)生成,生成した活性分子種による生体防御機能など,さまざまな生理機能にかかわる分子や原子間の電子移動をあらわす概念です。生体レドックスの変動は,脂質過酸化(酸化ストレス)やDNA 損傷を引き起こし,また,炎症,老化,発がん性リスクの上昇など生体に悪影響を及ぼします。生体レドックス反応の研究は,酸化ストレスによる重篤なレドックス疾患の発症メカニズムの解明に必要です。同時に,活性分子種の生成抑制や消去作用の基礎研究は,機能性成分の抗酸化能評価やレドックス疾患の新しい予防法の開発,健康維持のための応用研究につながります。

ヒト好中球のNADPH oxidase によるスーパーオキシド(O2 .-)生成機構

 好中球は生体防御のためにNADPH oxidase 反応を介して活性酸素の一種であるO2 .-を生成します。NADPH oxidase を活性化するための試薬PMAや動物性・植物性脂肪中に含まれる飽和脂肪酸を用い,ヒト好中球から生成するO2 .-の定性・定量分析を行いました(Ref. M. Tada, et al., J Clin Biochem Nutr. 2009 45(3):309-314)。O2 .-生成量は脂質代謝異常や免疫低下などの早期診断マーカー(酸化ストレスマーカー)の可能性が期待されます。

ヒト好中球のNADPH oxidase"

メラニン形成反応で生成するヒドロキシルラジカル( ・OH)と抗酸化能評価

 酸化反応を介して形成される生物色素(例;メラニン)の反応メカニズムを研究しながら,同時に抗酸化機能を評価する方法論の確立を目指しています(Ref. M. Tada, et al., J Clin Biochem Nutr. 2010 46(3):224-228,M.Tada, et al., J Clin Biochem Nutr. 2010 47(2):162-166)。
 「酸化と抗酸化」の対極から追及するアイディアは,レドックスバランスの正常化を理解する上で重要です。また,メラニンは動植物や菌類に存在するユニークな色素で幅広い研究分野で注目されています。最新の研究成果では,本計測法によって美白成分(Arbutin)の抗酸化機能評価を成功しました。

ヒドロキシルラジカル( ・OH)と抗酸化能評価"

http://www.tohtech.ac.jp/news/2011/07/post-69.html
http://www.tohtech.ac.jp/news/2012/12/_young_investigator_award.html

レドックス計測と酸化ストレスとの相関解析

 レドックス疾患の予防には食生活と運動とのバランスが大事ですが,食事で足りないものはサプリメントで補います。酸化ストレスが生じたとき,サプリメントに含まれる機能性成分を「必要な場」に「必要な量」を適切に届けることが体内環境の正常化につながります。一方,機能性成分の分子構造や分子量などによって体内で吸収・代謝されるメカニズムは異なります。ですから,毎日飲み続けることで効果があらわれる成分や,即効性があるものなどさまざまです。
 最近,ラットの腎臓や肝臓などのレドックス状態をモニターすることでゴマに含まれる抗酸化成分の新たな効能を報告しました(Ref. M. Tada, et al., Anal Sci. 2013;29(1):89-94, 月刊 細胞(2014) Vol.46 No.13 pp.46-49,ニューサイエンス社)。予防医学を意識した次のステップに向けて,ポリフェノールなどの機能性成分や脂質(酸化ストレス因子)の分析を始めています。
http://www.tohtech.ac.jp/news/2013/02/_hot_article_award.html

レドックス計測と酸化ストレスとの相関解析
イオンソースフラグメンテーション

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