2016/05/19

ヒトiPS細胞由来大脳皮質ニューロンの長期活動計測と電気生理学的な薬剤応答の検出に成功―創薬開発に期待-

 本学科の鈴木郁郎准教授らは、ヒトiPS細胞由来大脳皮質ニューロンを平面微小電極アレイ上で500日以上培養することに成功し、培養日数に依存した神経活動の変化およびシナプス関連薬剤に対する応答を明らかにしました。その結果、ヒトiPS細胞由来ニューロンはラットの初代大脳皮質ニューロンとは異なり、電気生理学的な成熟化には少なくとも20-30週程度の培養期間が必要であることがわかりました。また、てんかん現象の誘発や抗てんかん薬の作用などをヒトiPS細胞由来大脳皮質ニューロンより検出し、平面微小電極アレイを用いたヒトiPS細胞由来中枢神経ネットワークの長期活動計測法が薬効評価に有効であることを示しました。

 本研究成果は、2016年5月18日(英国時間)付けのNature社の電子版科学誌「Scientific Reports」誌に掲載されました。 http://www.nature.com/articles/srep26181

<ポイント>
■ヒトiPS細胞由来大脳皮質ニューロンを500日以上培養し、その電気活動をモニタリングすることに成功しました。
■電気生理学的な成熟化には少なくとも培養20-30週程度必要であることを明らかにしました。
■シナプス関連薬剤に対する顕著な応答およびてんかん現象の誘発と抗てんかん薬の効果を検出することに成功し、ヒトiPS細胞由来中枢神経細胞を用いた創薬開発への可能性を示しました。